甲斐駒ケ岳
中央道の甲府あたりを車で走っていて、南アルプスでもっとも目立つ山が、この甲斐駒ケ岳。甲斐駒の愛称で知られています。
もっとも目を引くのは、山頂付近の形と色。
山容はピラミッドのようにとんがり、さらに花崗岩の白さが際立ち夏でも雪山かと思うほどの白さです。

深田久弥の「日本百名山」の甲斐駒ケ岳の項にもこのようにあります。
------------------------------
わが国には駒ケ岳と名のつく山が多いが、その筆頭は甲斐駒であろう。(中略)
甲斐駒ケ岳は名峰である。もし日本の十名山を選べと言われたとしても、私はこの山を落さないだろう。
------------------------------

ぜひ登っておかないと、と思いつつ、やっと実現しました。

秋分の日の前日に休暇をもらい、1泊2日の予定で南アルプスの北沢峠へ。
北沢峠近くの駒仙小屋のテント場にテントを張って、ここをベースとして、1日目は甲斐駒、2日目は仙丈ヶ岳の登山の予定。

朝の3時に家を出て、途中朝ごはんを食べて6時過ぎに芦安の駐車場に到着。
準備を整えて7時前に乗合タクシーで広河原へ向かい、8時前に到着。
でも、北沢峠までのバスが9時発なので、広河原でちょっと寝る。
そんなわけで北沢峠到着は9時半前。
※平日は広河原から北沢峠までのバスの始発が9時なので、ちょっと厳しい。土曜・休日は始発は6時50分。
料金は芦安〜広河原が、バス1100円、乗合タクシー1200円。
広河原〜北沢峠がバス750円。(内、200円は荷物持ち込み代)
乗合タクシーのほうが早くて、座席も広くて快適です。

北沢峠から10分ほど歩いて駒仙小屋のテント場へ。
テントを設営して、サブザックに必要なものを入れて10時過ぎに登山開始。
天気が良くて快適。真夏と違って、それほど暑くありません。
途中、仙水小屋で湧水を補給し、1時間ほどで仙水峠到着。
ここから甲斐駒がきれいに見えます。

仙水峠から駒津峰までの登りが結構きつい。
でも、だんだんと景色が広がってくるのでなかなか楽しいです。
駒津峰からの景色もなかなかいいね。
南は仙丈ヶ岳や北岳、東は鳳凰三山とその奥に富士山。西には鋸岳。
のんびりおにぎりを食べていたら、天気が悪くなっていたので、山頂へ急ぐ。

甲斐駒は駒津峰から山頂が一番楽しいね。
稜線を下って登り返すのですが、途中、六方石というでかい岩があります。
この岩を超えると、直登ルートと巻き道ルートに分かれ、深い考えなく直登ルートを選んだのですが、これがなかなか楽しかった。
ほんと岩にしがみつきながら登っていく感じ。
雨が降ったり、風が強かったら危険なルートです。
標高が上がるにつれ、足元の岩や砂が白く、もろくなってきます。
いよいよ、山頂のあの白い部分に入ったのだなぁとちょっと感慨深い。

山頂は広めです。
古くから信仰の対象となっていたらしく、祠があって、わらじが備えられています。
ここから景色もなかなか。
うれしくなって山頂から友人にメールしちゃいました。
※山頂のみ携帯の電波がつながりました。
午後から天気が悪くなってきて、見通しが完全にきかないのが残念。
でも、時折姿を表す鳳凰三山がきれい。
来月、紅葉の時期に鳳凰三山を登る予定です。

のんびりしてたら、もう14時過ぎ。
早く下りないと日没になっちゃう。
駒津峰に戻って、下りは双児山を経由するルートで。
こちらのルートは樹林帯の九十九折で景色が見えず、あまり面白くないですね。
結構足に負担がくる下りです。
だいぶ疲れて17時にテント場に戻ってきました。

夕食はレトルトのカレーとアルファ米。
山の中でカレーを食べたかったんですよね。
とてもおいしい。

登り4時間、下り3時間。
とても充実した甲斐駒登山でした。
※土曜、休日なら日帰りできるかも。
 始発バスの北沢峠着が7:15。帰りの終バスが15:30です。
 登山に使える時間は約8時間。
 仙丈ヶ岳も日帰りできるかなぁ。

途中、中年のご夫婦と同じペースで登りました。
奥さんは「しんどい、しんどい」とブーブー言いながら、旦那さんはそれを諌めながら登っているのですが、そんな旦那さんも楽しそう。
幸せそうなご夫婦でした。

<記録>
9:25 北沢峠
9:40 駒仙小屋テント場 ※テント設営
10:10
10:30 仙水小屋
11:00 仙水峠
12:10 駒津峰 ※お昼ごはん
12:30
13:45 甲斐駒ケ岳頂上
14:15
15:10 駒津峰
17:00 駒仙小屋テント場


■鳳凰三山とその奥に富士山。地蔵岳のオベリスクが見えます。
鳳凰三山と富士山


■駒津峰と山頂の間の六方石。この細い稜線に、どうやってこんなでっかい岩がのっかったんだろう?
甲斐駒ケ岳


■山頂付近の白い壁
甲斐駒ケ岳


■運命の分かれ道。直登か巻き道か。
甲斐駒ケ岳